運行規則

1.目的

本規定は、平成23年10月にふくしまスカイパークを競技会場として実施する第2回全日本曲技飛行競技会を安全かつ円滑に運営するために必要な事項を定める。

2. 競技の内容

曲技飛行競技は、IAC(International Aerobatic Club)の2011年規定を利用し、以下のクラスで実施する。
■プライマリークラス(Primary)
規定演技

■スポーツマンクラス(Sportsman)
規定演技(Known)及び自由演技(Free)
※但し、自由演技は規定演技の実施でも良い。

■インターミディエートクラス(Intermediate)
規定演技(Known)、自由演技(Free)
及びアンノーン演技(Unknown)
※アンノーン演技課目は競技会初日のパイロットブリーフィングにて公表する。

3. 全般

3−1 委員会及び本部の設置
本競技会の安全を管理する安全委員会、及び、運航を管理する運航本部を設置する。

3−2 委員会及び本部の構成並びに役割
安全委員会は、主催の実行委員会の安全委員及び開催地の特定非営利活動法人 ふくしま飛行協会の安全委員で構成し、安全に係る事項を審議、確認して、必要な事項を運航本部に指示する。 運航本部は、競技委員長、審判委員長、技能・安全委員長で構成し、パイロット、運航関係者、及び、運航に係わる全ての者に、飛行場運航要領、飛行空域、 飛行高度、飛行場、滑走路、障害物、周辺の地形、気象等の情報を提供し、競技の円滑な実行を図るとともに、事故防止に必要な情報の周知徹底を図り、 競技会実施に係わる運航の安全を確保する。

3−3 指示の遵守
競技会の期間中、パイロット及び運航関係者は、運航本部の指示に従うものとする。

3−4 情報の徹底
運航本部は、パイロット、運航関係者、及び、運航に係わる全ての者に、 飛行場運航要領、飛行空域、飛行高度、飛行場、滑走路、障害物、周辺の地形、 気象等の情報を提供し、競技の円滑な実行を図るとともに、事故防止に必要な 情報の周知徹底を図り、競技会実施に係わる運航の安全を確保する。

3−5 運航ブリーフィングの実施
運航ブリーフィングへの参加を、パイロット及び運航関係者他、この競技会に かかわる全ての者の義務とし、3−4項の情報の徹底を図る。 運航ブリーフィングへの欠席者は、競技への参加を許可されない。 運航ブリーフィングは、競技日の飛行開始前に毎日実施する。 ブリーフィングの実施においては、3−4項の情報の徹底を確実なものとする ため、以下の内容を含むものとする
・ふくしまスカイパークでの飛行に係わる滑走路、空域等、周知・注意事項の伝達
・競技空域、高度、地形、障害物、民家等の周知事項、体調確認等、注意事項の伝達
・緊急時の対処要領、緊急不時着場情報
・気象状況、気象予報、乱気流等の情報
・当日のスケジュール、飛行順序、進行手順の係わる事項の伝達と必要な調整

3−6 運航管理及び制限事項
(1)運航管理及ぶ通信手段
運航管理は運航本部が行い、離着陸及び競技等運航中の航空機との通信手段は、 ふくしまフライトサービス(130.675MHz)を使用して行う。

(2)競技の実施空域
曲技飛行競技は、以下の空域にて実施する。 ・1000m×1000m、高度3000Ft〜6000Ft(MSL)。

(3)競技の実施に係わる気象条件等は以下のものとする
・視程5Km以上
・雲底5000Ft以上 (曲技飛行競技*1)
・滑走路の横風成分 12KT以下
・滑走路の正対成分 20KT以下
・降水現象がないこと、また、滑走途上に水たまりが無いこと
※1:曲技飛行競技の練習飛行においては、雲底が3000Ft以上の場合、 空域慣熟等及び個々の課目の慣熟のための飛行の実施を認めることがある。 また、競技空域又はその近傍に、部分的に雲が存在するような状況に おいては、その都度、運航本部の実行委員、安全委員、及び主審が協議を 行い、競技又は練習飛行の実施可否の判断を行う。

4.出場パイロット

4−1 競技出場パイロットの経歴等
出場パイロットの飛行機の曲技飛行競技等の必要経歴等は、以下のものとする。
@ 出場競技の規定課目と同等以上の内容(IAC競技会など)での 曲技飛行競技経験があり、競技初日から過去2年以内に60%以上のスコアーを得ている事。
A 上記@を満たさない場合、競技開始前までにセイフティ・パイロットとの同乗による技量確認書を得ている事。
B 上記@及びAを満たさない場合で、セイフティ・パイロットが同乗する場合は参加可能とする。
C 曲技飛行競技参加者は、上記@及びA以上の曲技飛行競技経験に加え、ふくしまスカイパークと同等な条件の場所での離着陸実績を有し、 同滑走路への安全な離着陸が可能な者とする。
この実績を有さない者は同滑走路での安全な着陸が可能な技量を有するセイフティ・パイロットの同乗を義務付ける。

4−2 セイフティ・パイロット(以下SPと表記)の経歴等
@ SPは、曲技飛行の安全推進におけるリーダー的存在となる事を認識し、常に技量・知識を向上させる努力を行わなければならない。
A SPの認定は、技能・安全委員長が行う。
B 搭乗機体の性能を熟知し、曲技飛行特性及び離着陸特性について十分な技量を有さなければならない。
C 同乗するパイロットの競技クラスの規定演技において、60%以上のスコアーを得る事ができる程度の技量を有しなければならない。
D スピンからの回復操作(通常スピン・フラットスピン・加速スピン・背面スピン(インターミディエート以上))及び失効高度について熟知していなければならない。
E 最低高度を下回った場合、もしくは明らかに下回る事が予想できる飛行姿勢になった場合は、ただちに競技者に代わり操縦を代行しなければならない。
F 飛行中の競技者に対して、一切の助言を行ってはならない。

4−3 競技出場パイロットの経歴・技量等の確認等
運航本部は、競技出場パイロットの経歴・技量等の確認等を、以下により実施する。
@ 初日の全体ブリーフィングで、競技の内容及び、細部の実行要領を説明し、競技内容及び実行要領についての、参加パイロットの理解を得る。
A 競技出場パイロットの経歴・技量等について、所定の様式(別紙2)への記入を求め、全体ブリーフィングにおいて、セイフティ・パイロットの要否等の確認を実施した後、その結果を競技パイロットに伝え、競技規定等の安全対策確認の署名を得る。
B 運航本部は、朝のブリーフィング時に、パイロットの健康状態が良好であり、飲酒及び薬物等の影響等が無く、演技をするに十分な健康状態であることを確認する。 アルコール摂取の制限時間は、8時間以前とする。

5.出場機体

出場機体は以下のものであること。
@ 耐空類別 飛行機A類 としての耐空証明を有する機体であること。
A 所定の点検整備が実施されていること。
B ふくしまスカイパークでの離着陸が可能な性能を有し、同地での離着陸及び曲技飛行の実施について、航空法但し書きの許可を得た機体であること。
C 出場機体の運航に係わる第三者賠償責任保険に加入した機体であること。
D 機体を借用して競技に参加する場合の、機体の借用に係わる必要事項の調整等は、全て当事者間で実施すること。

6.練習及び競技の飛行

6−1 規定演技
規定演技より競技飛行を開始する。規定演技の成績が60%に満たない場合で、主審によって競技者の技量が不十分又は飛行が危険と判断された場合は、主審及び運航本部で協議を行い、理由を示した上で、以降の競技への参加を禁止することがある。

6−2 競技の実施方向 (Official Wind Direction)
運航本部は、当日の天候等から判断の上、競技の実施方向を定め、ブリーフィングで周知すると共にこれを掲示し、審判員を配置する。 風向風速により離着陸方向を変更することがあっても、競技の実施方向に ついては、運航本部から全選手に通知し、掲示の変更があるまでは、変わることはない。

6−3 自由演技及びアンノーン演技
運航本部が定めた順序及び飛行時間に従って実施する。天候等で予め定めた計画での実施が出来ない場合は、運航本部が別途設定し、臨時ブリーフィングで周知の上、実施するものとする。

6−4 競技飛行の実施回数
自由演技及びアンノーン演技の、2フライトの合計得点を以って成績とする。 ただしアンノーン演技が実施されない場合は、規定演技と自由演技の合計得点、さらに自由演技も実施されない場合は、規定演技の得点とする。

6−5 競技の審判
競技の採点は、IACの資格を有する審判員が主審(チーフジャッジ)となり、 その統率の下に審判団を結成して、その任に当たる。 主審は、競技の飛行において、競技者の飛行が危険と判断した場合は、 即座に競技を中止させ、飛行を中止させることが出来る。その場合は、 事後にその理由を添えて、運航本部に報告するものとし、主審及び運航本部は 協議の上、以降の競技への参加可否を判断して選手に伝えるものとする。 採点の基準は、原則としてIAC Official Contest Rulesに従うものとする。 主審は、予め、審判団を構成する全員に対して、審判要領の講習を実施する。 審判要領の細部は、別途定める「曲技飛行審査要領」による。 競技採点の細部については、審判委員長が起案し、運航本部が別途定める。

7.緊急事態発生時の対応

7−1 対応組織
緊急事態発生時は、本競技会の安全を管理する安全委員会、及び、運航を管理する運航本部が、緊急対策本部となって、その対応に当たるものとする。 緊急対策本部長は、競技委員長とする。

7−2 緊急連絡先
緊急事態発生時への対応のため、予め、航空局関係、警察、消防、主催者、後援者、スカイパーク関係等を含む緊急連絡網を作成し、運航本部に掲示しておく。

7−3 緊急時の行動指針
人命尊重、被害者等の救済を最優先に行動する。 関連機関への連絡を漏れなく実施する。 競技会の実施可否については、緊急対策本部内で、航空局等への報告結果を 踏まえて検討し、その結果を、緊急ブリーフィングにて伝達する。

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